杭打ち事件(その3)‥‥元請け、下請けの責任

傾いたマンション事件


下請けが設計通りしない‥‥手抜きがあるのは材料費を浮かせることが最大の理由。


だから元請けゼネコンの現場監督は必ず現場を確認します。


つまり、大きな手抜きは元請けとの合意がなければ、最低限黙認がなければ出来ないし、やろうとも考えません。


「初めだけ見て後は見なかった」なんて言葉はゼネコン幹部が吐く言葉ではありません。


元請けの責任放棄‥‥というより、自分達の責任を理解出来てない‥‥ということですな(-"-;)



さて、専門業者として私が付き合った素晴らしい沢山の現場監督の内の一人を紹介します。


ある中堅ゼネコンTの当時四十歳くらいの所長(現場代理人)。


私が外構工事の打ち合わせに現場事務所に行くと何かバタバタしている


所長が設計には無い断熱工事の追加を指示したので段取り替などで大変らしい。


所長に聞くと「このままでは結露する可能性に気付いたから」
工事費の増額を申請する時間はないから元請けの持ち出し。


曰く
「金の問題ではない」
「図面通りやるなら馬鹿でも出来る」
「 俺の現場監督としてのプライドだ」


パチパチパチッ!拍手!現場監督の鏡です!


一般にはあまり知られてない中堅ゼネコンにも、こういう立派な監督は沢山いるのです。


もっとも、この現場は予算的にはそれほど厳しくなかったようですが。


もう一つは設計事務所の話
設計事務所と言っても構造専門の個人営業の小さい事務所。


ある現場に鉄骨が搬入された翌日、現場での立会検査に訪れて自分自身で計測。


結果、500ミリの設計に対して現物は495ミリ。わずか5ミリ(1%)の差だが不合格。


「強度的には問題ありませんから」と言い訳する業者に「それでは問題無いことを証明してください」


結局は造り直し。(ノ△T) 気の毒だが、元請けと専門業者が共謀(?)して失敗した例。この設計事務所が立派。


でも、この設計事務所は業界では煙たがられて大きくはなれないでしょうな!(-o-;)


逆に設計事務所が過剰設計をして現場は適切な仕様で施工。差額をリベートにした悪どい例もあった。


もう時効の話ばかりだが、キリがない。


結局、会社の大小が問題ではない!ということです。


建設は一つ一つオーダーメイドの現地生産。しかも地下の状態はある程度は推定の設計。


慎重に過ぎると過大設計になり、甘く考えると過小設計で今回のような事件となります。


信頼出来る会社を見つける‥‥につきますね。
金額だけで決めないことです。


「安い!」を強調する業者は「安い」以外に取り柄が無いことを白状しているようなものですよ。o(`▽´)o


紅葉シーズンの京都のお寺に寄りました。青い苔に紅葉がキレイでした。